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心に残る結婚式
【ウェディングプランナーとお父様のサプライズ計画】
2018.01.29 Mon
ふたりの最初の想いは
「ふたりだけの結婚式」
ご両親もご友人もご招待せずに
ウェディングドレスを着て
ふたりだけの結婚式をご希望されていました。
食事会も行わずに
ふたりだけで挙式のみとのことです。
口数の少ないおふたり…
ウェディングプランナーも
ふたりの想いや結婚式のイメージが汲み取れずにいました。
「ご家族と気兼ねなく結婚式」
「親族の方と一緒に食事会」
少人数での結婚式は
このふたつのご要望が多いからです。
2度目におふたりとお会いした時
ウェディングプランナーが切り出しました。
「なぜ挙式にご家族は参加されないのですか?」
新郎のお父様はご自分でお仕事をされています。
息子である新郎に仕事を継いでもらいたかったが
直前になり新郎は継がないことを決意。
もちろんお父様の内心は穏やかではありません。
エスプリ・ド・ナチュールにお越しになる
3ヵ月前のお話しでした。
それ以来、お父様、ご家族との関係に
亀裂が入ってしまったそうです。
ふたりの結婚をお父様は喜んでくれていましたが
それ以来ご家族との関係が途切れてしまい
結婚式はふたりだけで行いたいとのことでした。
お父様は結婚式に出席して
ふたりに「おめでとう」と言ってあげたい…
そう感じたウェディングプランナーは
ふたりにある提案をしてみました。
「お父様と漁に出てみませんか?」
お父様のお仕事は漁師。
同じ船の上で伝えて欲しいことがありました。
漁師を継げないこと
自分の進みたい道のこと
そして、素直な感謝の気持ち。
船の上でどんなお話しをされたのか…
新郎さんは教えてくれませんでしたが
照れくさそうに
「両親が結婚式に出席してくれるって」
後日、お父様か一本の電話がありました。
「俺が漁で獲ってきた魚を結婚式で出してくれ」
ウェディングプランナーも自分のことのように
「わかりました!嬉しいです!
美味しいお魚を獲ってきてください!」
【お父様が朝獲りしたお魚を使ったフルコース料理】
そこからウェディングプランナーとお父様の
サプライズ計画がスタート。
ふたりとの打合せでは
サプライズが悟られることの無いよう
慎重に打合せをするウェディングプランナー。
結婚式当日
ご両親が出席してくれただけで新郎新婦は嬉しく
一見和やかに挙式が始まります。
ただ
どことなくそわそわしているお父様を除いては…
無事挙式を済まされ新郎新婦とご家族は
お食事を召し上がるダイニングへ。
サービススタッフが
そっと本日のお魚料理の説明をします。
説明を聞きながら
堰を切ったように涙を流される新郎新婦。
その新郎新婦の姿を一瞬だけ確認して
お料理を食べているフリをしているお父様。
最後まで不器用なお父様…
しかし
ウェディングプランナーは見ていました…
みんなに分からないよう
テーブルの下でガッツポーズをしているお父様の姿と
照れくさそうな少しだけの笑顔。
その笑顔が新郎様とそっくり。
結婚式から一年。
新郎さんからメールが届きました。
出産の報告と添付されていた画像が一枚。
かわいい娘さんを抱っこして
ピースサインする新郎新婦。
その後ろで
くしゃくしゃの笑顔で大漁旗を掲げるお父様でした。